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2019年04月15日
初心者

近頃、古文書を読むことが多くなっている。知らぬ間にあれを読め、これを読めという話が湧いてきて、手に余るほどになってきた。古文書と言っても江戸時代のものなのでそれほど難しくはないはずだが、私には厄介である。
楷書や行書あたりまでなら何とか推測できても、草書やもっと崩れた仮名に近くなると見当のつかないものがある。一つ一つ調べていく他ないが、ここでつらつら考えてみた。
私は先生について書を習ったわけでもないし、読めるよう常に気を使ってきたわけでもない。実際に達筆で書かれた文書を目の前に置くと、途方に暮れる。これは書かれた時代や雰囲気が分からないというような高級な話ではなく、字そのものが読めないのだ。
しげしげ全体を見ても、筆順を追っかけても、候補に挙がる文字すら思い浮かばない。
漢字の成り立ちまで遡ってくずしたり、わざわざ俗体を選び更にこれをくずしたりすると、もう判じ物に近い。
昔の人はよく勉強して、よく練習しているなと感心はする。だがこんなことをしては、誰にでも通じるという訳にはいかない。
たまたま出くわしたりして運よく「者(は)」「互(たがい)」などの異体は判別できるようになったが、まだまだ分からない文字がある。私が目にする文書だけでこれだから、もう永遠の初心者と言わざるをえない。
話し言葉の場合、ちょっとした分かりにくい単語でも小さなグループなら通じてくすくす笑ったり、目くばせするだけでも情報を共有できることがある。
だが書き言葉で公式文書に近いものとなると、どこでも通じ、どの世代でも分かるという観点が加わる。武士階級を中心にして漢語文化が相当理解されていたことは疑う余地がない。教養の高さを誇示するのに、厄介な字を選んでいるとすれば、公用性が眼中にないことにならないか。
わざわざここで初心者であることを強調する必要があるとは思えないが、余りにも読めない。外国暮らしで日本語が怪しくなったので、リハビリを兼ねて少しばかり古文書を読んだことがあったが、ほんの一時期だった。
古文書解読をやっつけるには、良い先生についてしっかり書を学ぶか、長い間修練を積むしかないと思い込んでいたので、今まで何となく遠ざけてきた。
実際に読むほかない状況になると、渋々でも前に進む気になる。部首に着目するとか、分かっている字をもとに用例を漁るとか、仮名の種類を整理するなど、手立てがないわけでない。今更先生を探すのは面倒なので一人でもがいている。差し迫ったノルマがないからか、これはこれで結構楽しい。

髭じいさん

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