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2017年12月25日

鼠の記

鼠は干支でも使われ、馴染みがある。私はデスクトップのパソコンを使っており、マウスは必需品である。鼠を取り上げるなら、どこかに焦点を当てないと話題が多すぎる。
私の世代ならトムとジェリーの追いかけっこ、若い人ならミッキーマウスを思い浮かべる人が多いかもしれない。いずれにしてもスターであって、邪魔者とは捉えられていない。これは実際に被害を被らない人か、実態を知らなくて済む人にとっての話だろう。私は自宅として使っている家と、仕事場としてもう一軒借りている。正確に言うと、後者は二階の二部屋を借りているだけである。
その仕事場では、多い少ないはあるとしても、年中屋根裏を走り回っている印象を持っている。ああこれは猫に追いかけられているなとか、複数で走り回っているなと分かるようになった。
かつては仕事の準備が終わるとおやつタイムにしていた。菓子の食べ残しなどがあると、どうゆう訳か鼠が荒らしまわる。部屋への進入路が面白い。板の入口が開いている時には堂々と正面から入っている。これに気づいて板戸をまめに閉めるようになった。その後しばらく階段に米粒ぐらいの黒い糞が転がっていたことがある。
これで安心していると、締め切りになっている襖の下の方を食い破り、侵入してきた。襖は下半分がぼろぼろになっている。彼らを防ぐ手だてはないと観念して、おやつを諦めることにした。ここのところ部屋には入っていないようで、掃除も楽になった。
さて先週我が家で見たネズミは結構な大物で、精悍な姿と敏捷な動きで驚かせた。あの体で、壁を下から塞いだ穴のところまで楽々上っていた。彼が居ついたのは塞いだタイミングが悪かったからかもしれない。
彼ならスターになれそうな雰囲気がある。年を取ったせいか、それほど憎らしいという気持ちになれなかった。
とは言え私は鼠が好きなわけではない。蛇を見ても割合驚かないし、どこかに余裕がある。ところが鼠は背中がゾッとしたり寒気がしたりする。むろん怖いわけではなく、気持ちが悪いのだ。中世ヨーロッパを震撼させたペストの印象が強いのだろう。日本でも、様々な伝染病を媒介してきたのは間違いあるまい。
実を言うとまだ退治できていない。幸いというか、穴を塞いだからか、まだ単独で荒らされている状況だと思う。
彼は運動能力のみならず、とても賢明な気がする。用心深いのは当たり前として、出没する場所がなかなか一定しない。これでは罠をどこに仕掛けるか迷う。
どうやら本拠にしている場所の見当がついたので、ふとしたことで引っかかる場所をじっくり考えたいと思う。
髭じいさん

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