シリーズ田舎探訪 岩手県花巻市
宮沢賢治の足跡を訪ねて
  雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ・・・
 
宮沢賢治記念館

宮沢賢治記念館雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル・・・
                       『雨ニモ負ケズ』の冒頭より


この詩は、賢治の晩年に書かれたもので、死後、発見されたものだそうです。
私は宮沢賢治というと、まず何よりもこの詩を思い出します。小学生の時に、クラス全員、この詩を覚えさせられて、毎朝、朝礼で暗誦していました。そのときは、義務感や強制されてやっているような感じを受けてましたが、それからしばらくして、時折この詩が頭をよぎるようになりました。
そんなときは、何か逆境に対して力がもらえるような気持ちになり、と同時に自らが優しくなれるようなそんな気がします。今は全文を暗誦することはできないけれど、今でも何となく詩を思い浮かべるだけで、そんな気持ちになれます。

(あめゆじゅとてちてけんじゃ)            『永訣の朝』より

宮沢賢治記念館では、そんな賢治の生い立ちや自筆原稿、遺品などを見ることができ、作品の背景や賢治の人柄を偲ぶことができます。
とくに、 賢治の唯一の理解者と言ってもいい存在であった妹トシの死に際して書かれた、『永訣の朝』の原稿を見たときには胸がせまる思いがしました。(あめゆじゅとてちてけんじゃ)は、その中に出てくる言葉で、「雨雪とってきてください」という意味ですが、詩の中に4回登場します。展示を見ていて、この言葉に籠められた賢治の思いのようなものが伝わってきた気がしました。

よだかの星の石碑
よだかの星の石碑
宮沢賢治記念館の前に建つ。
 

 
羅須地人協会

どっどど どどうど どどうど どどう、
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいくわりんもふきとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう・・・
            『風の又三郎』の冒頭より


私はこの作品を読んだ記憶はないのですが、このフレーズは頭の中にあります。
賢治の作品は音というかリズム感があるようで、頭の中に残るような気がします。
この『羅須地人協会』には、その「風の又三郎のマント」が展示されてます。
実際には賢治が使っていたマントで、当時、防寒具を持っていなかった生徒にかけてあげたものだそうですが、賢治の人柄が伝わるような気がしました。
 

羅須地人協会

風の又三郎のマント 羅須地人協会とは、賢治が農民になるべく、勤めていた花巻農学校を辞めて、自耕をはじめたときに、近隣の農民を集めてつくったもので、農業指導や演奏会などを行いました。
そして、そのときに住んでいたのがこの家です。ここは、妹トシの最期の場所でもありました。
当時、賢治が農業指導をしていた部屋などが再現されていて(トップ写真)、賢治の声が聞こえてくるようでした。

右の写真は元羅須地人協会があった場所へと続く道。

                  ※建物の見学についてはお問合せください。
                         花巻農業高校  0198-26-3131
羅須地人協会跡地へとつづく小道

 
イギリス海岸

イギリス海岸夏休みの十五日の農場実習の間に、私どもがイギリス海岸とあだ名をつけて、二日か三日ごと、仕事が一きりつくたびに、よく遊びに行った処がありました。
それは本とうは海岸ではなくて、いかにも海岸の風をした川の岸です。北上川の西岸でした。東の仙人峠から、遠野を通り土沢を過ぎ、北上山地を横截って来る冷たい猿ヶ石川の、北上川への落合から、少し下流の西岸でした。
                          『イギリス海岸』の冒頭より

イギリス海岸の空ここの川底の様子が、イギリスの海岸に似ているということで、名付けられたらしいですが、私が行った時は川の水が多くて、見えませんでした。
前回、行った時も、やはり川の水が多くて見えませんでした。地元の人に聞いてみると、最近は滅多に見えないよと言っていました。残念・・・。
でも、いつかは見てみたいなぁと思っています。

私自身はこの場所から見る空が好きで、個人的にはこの空の感じの方がイギリスの農村部の景色に似ているようなそんな気がします。


 
山猫軒・やぶ屋総本店
山猫軒 山猫軒
無事、レストランから帰って来れました^^;

「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」
「ことに肥ったお方や若いお方は、大歓迎いたします」
「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」
                      『注文の多い料理店』より抜粋
どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません
左は、宮沢賢治記念館のそばにある『山猫軒』というレストラン兼おみやげ屋さんです。
言うまでもなく『注文の多い料理店』をモチーフにつくられていて、お店の入り口や店内のあちらこちらに上のフレーズが貼られてました(右写真)。

レストランには、賢治の作品をモチーフにした「イーハトーヴ定食」や「でくのぼう」といったメニューがありました。

賢治が好んで食べた、天ぷらそば 天ぷらそば
ブッシュへ行こう・・・

ブッシュというのはおそば屋さんの『やぶ屋総本店』のことで、これも賢治によるネーミングです。

賢治は決まって天ぷらそばとサイダーを注文していたそうです。
当時、天ぷらそばが15銭で、サイダーは23銭もしたそうです。
今は、天ぷらそばが630円で、サイダーが210円でした。
やぶ屋総本店
やぶ屋総本店
0198-24-1011

 
編集後記

「ではみなさんは、さういふふうに川だと云はれたり、乳の流れたあとだと云はれたりしてゐたこのぼんやりと白いものがほんたうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊した大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のやうなところを指しながら、みんなに問をかけました。
                                       『銀河鉄道の夜』の冒頭より


一時期、宮澤賢治の作品の宗教色が気になって避けていたことがあります。
今でも、その印象は完全に拭えたわけではありませんが、今回、そうしたもの全てを含めて、一個の宮沢賢治ワールドなんだという、当たり前のことに気が付きました。
私は宮澤賢治のつくりだした童話はとても面白く、そして素晴らしいと思います。
今回、この田舎探訪を書くにあたっていくつかの作品を読んで、あらためてその思いを強くしました。
作品を通して、宮沢賢治というその人の世界に入り込めば、あるいはイーハトーヴへとトリップ出来るかも知れません。


宮沢賢治供養塔
宮沢賢治供養塔
 
(身照寺)

 

※情報について、もっと詳しく知りたい方は花巻市のホームページへどうぞ。
 
 
  ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
 

今回の特集は、ウィンズ事業部のスタッフとらさんです。
とらさんのプロフィール
今年の4月からウィンズ事業部で働いています。子供の頃から旅が好きで、色んなところを旅しています。だけど、飛行機は苦手なので、ほとんどが国内らしい・・・。そんなとらさんの日常や旅先の写真、グルメなどをつづった写真ブログ展開中です。>>Winds!スタッフとらさんの写真ブログ 毎日更新中!!



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