シリーズ田舎探訪 岐阜県郡上市
那比新宮祭り 岐阜県郡上市那比
  高賀山の麓に位置する岐阜県郡上市那比の新宮神社、その歴史は1000年を越えるという古社です。毎年4月14日に行われるお祭りで、ちょっと変わった神楽が行われると聞いたので、見に行ってみました。
 

日本の神々が集う社〜出雲大社
正面銅鳥居

那比新宮神社は、天暦年間に藤原高光によって建立されたと言われる神社です。言い伝えは様々ですが、当時この辺り一帯を荒らす鬼(妖魔とも)が高賀山(瓢ヶ岳とも)にいて、それを勅命により退治しにきたのが、藤原高光であり、その時の随縁により高賀山の周囲六箇所に那比新宮神社を含む神社を祀ったとのことです。
このとき、虚空蔵菩薩のご加護があったといい、新宮神社にはご祭神ではなく虚空蔵菩薩がご本尊として祀られています。
神社に仏教の仏様が祀られているという、神仏習合時代の名残りを残した全国的にも珍しい神社となっています。
その後、中世から近世にかけては、高賀山信仰が盛んとなり、六社巡りの参詣で賑わったそうです。
宝物館には、国重要指定文化財の懸け仏をはじめ、文化財の数々もあり、往時の隆盛がしのばれます。

境内には、東常縁、飯尾宗祇がこの地で詠んだとされる連歌の碑や、百人一首でおなじみの猿丸太夫の歌碑が建っていたりして、歴史の重さを感じさせます。

奥山にもみじ踏み分け鳴く鹿の 声聞くときぞ秋は悲しき  猿丸太夫

猿丸太夫の歌が、なぜにこの地に?と思いましたが、先程の藤原高光の子として、この那比で生まれたとする伝承があるそうです。
また、この境内の樹木、とくに杉の巨木が素晴らしく、社叢が岐阜県の天然記念物に指定されています。

本殿


日本の神々が集う社〜出雲大社
本殿全景

当本の家には遠目にもそれとわかる、花が2本立っていました。
そこからお祭りが始まると思い、しばらく待っていましたが、漸く午後2時頃に始まる気配が・・・。
カメラを持って待ち構えていると、いきなり軽トラに積み込み、ブーンと行かれてしまった・・・。
取り残された私は慌てて、車を追いました。

私の今住んでいる地元では、当本の家で神楽を舞ってから皆でお宮まで歩いていくのですが、ここではどうやら、当本の家では着替えをするだけのようでした。

お宮に到着すると、鳥居のすぐ内側で大神楽が舞われました。
私自身、これまで獅子舞というものをあまり見たことがなく、ちゃんと見たのは先日初めて参加した地元のお祭りくらいなものなので、どこがどうとは言えないのですが、ささらを持った子どもと対峙した獅子が舞い、獅子が時折子どもの方をうかがうと子どもがささらをシュッと鳴らし、獅子をけん制します。それを何度か繰り返すというものでした。
ひと通り舞い終わると、隊列をつくり、拝殿の前まで行進します。
拝殿の前に着くと、ふたたび獅子が舞い、祭りは佳境を迎えます。
本殿

日本の神々が集う社〜出雲大社


本殿全景

ここでいよいよ、獅子頭を換え、獅子起こしという舞が行われます。
拝殿から3つに割れた奇妙な面を着け、みすぼらしい衣を身にまとった老翁が現われ、獅子の周りをうろつきます。すると、獅子の背後に立つ人達からいろいろと囃されます。別名権兵衛の獅子起こしとも呼ばれるそうなので、おそらくこの老翁は権兵衛さんだと思われますが、権兵衛さんは囃された言葉に対して滑稽な仕草で応えます。
文章ではなかなか表現しにくいのですが、このやり取りが軽妙でなんとも小気味よく、観客は笑いの渦に巻き込まれます。
内容としては文字通り、獅子を起こすことがメインで、掛け合いの主な内容もその起こすタイミングが早いか遅いかなのですが、その合間に権兵衛さんを揶揄するような掛け声が飛びかいます。
「おぉ〜ら、遅せぇなぁ〜。早うせぇ〜」
「観客が飽きて帰っちまうぞ〜」
などと言われながら権兵衛さんが獅子の頭を叩くたびに獅子が立ち上がり、権兵衛さんに襲い掛かります。権兵衛さんはそのたびに逃げていきます。
それを数回繰り返すと、ようやく獅子が起きて拝殿へと消えていきます。

 


銅鐘

日本の神々が集う社〜出雲大社


本殿
獅子起こしが終わると、お神輿が拝殿から出され、拝殿の周りを回ります。
そのとき、見物客はお賽銭をお神輿に載せて、お神輿の下を潜り、往復してお祈りします。
お神輿が拝殿に戻されると、 再び拝殿の前で大神楽が舞われます。


それが終わると、飾られていた花が配られます。配られるというよりは奪い合いで、大人も子どもも一目散に集まります。
平日に行われたためか、それほど激しい奪い合いではなかったですが、これをもって祭りは終焉を迎えます。




今回、見てきた権兵衛の獅子起こしですが、詳しい話は聞いてきませんでした。
その後、帰ってからいろいろと資料を見てみると、六社の内の粥川星の宮で行われる祭りに権兵衛舞いというのがあることを知りました。星の宮のお祭りは新宮のお祭りの前日なので、今年は見ることが出来ないのですが、何か関連がありそうで、またいつか見てみたいと思いました。
今年は地元のお宮でも自分の班が当本に当たり、初めてお祭りに参加しました。今までは、全国的に有名なお祭りしか見たことがほとんどありませんでしたが、身近な小さなお祭りも大変、興味深いことを知りました。
それにしても、今では山深い地にあれだけの神社が残っていることに感銘を受けました。また是非訪れてみたいと思います。

○那比新宮祭り関係リンク集○
郡上市   ☆郡上市観光協会  ☆高賀山(関市のページ) ☆美並観光協会

○田舎探訪に対するご意見・ご感想をコチラまでお寄せください。

今回の特集は、ウィンズ事業部のスタッフとらさんです。
とらさんのプロフィール
子供の頃から旅が好きで、色んなところを旅しています。だけど、飛行機は苦手なので、ほとんどが国内です・・・。そんなとらさんの日常や旅先の写真、グルメ写真などをつづった写真ブログ展開中です。
>>とらさんの写真ブログ !!



■バックナンバー

自然と歴史の町 羽咋  (2009/09/16 石川県羽咋市)

家康公 生誕の地  (2009/07/16 愛知県岡崎市)

高賀山大本神宮 関市  (2009/07/16 岐阜県関市)

正一位洲原神社  (2009/06/16 岐阜県美濃市)

那比神宮祭り 郡上市  (2008/04/18 岐阜県郡上市)

ニュージーランドへようこそ  (2008/01/16 ニュージーランド)

山紫水明の地 阿賀野市  (2007/07/11 新潟県阿賀野市)

国際平和文化都市 広島  (2007/06/01 広島県広島市)

近江商人の町 近江八幡  (2007/05/01 滋賀県近江八幡市)

出雲大社 いずもおおやしろ  (2007/03/01 島根県出雲市)

唐人物語(ラシャメンのうた)の舞台を訪ねて 
(2007/02/01 静岡県下田市)

あおによし奈良の都の世界遺産 (2006/12/01 奈良県奈良市)

宮澤賢治の足跡を訪ねて (2006/11/01 岩手県南花巻市)

上杉景勝公のふるさとを訪ねて (2006/09/16 新潟県南魚沼市)

中山道を行く その一
(2006/09/01 岐阜県中津川市・長野県南木曽町)

天上の上高地 (2006/08/01 長野県松本市)
変わりゆく動物園 (2006/07/16 北海道札幌市) 海と、山と、空と、風と。。。 (2006/07/01 神奈川県逗子市)
ぎふ・あかり灯ウォーク (2006/06/16 岐阜県岐阜市) 七ヶ浜ちょこっとドライブ (2006/06/01 宮城県七ヶ浜町)
柏LOHAS (2006/05/16 千葉県柏市) misakin風 練馬の楽しみ方 (2006/05/01 東京都練馬区)
思い出の中のふるさと (2006/04/16 熊本県あさぎり町) 人道の丘をたずねて (2006/04/01 岐阜県八百津町)
よかとこ霧島、自然がいっぱい「みやこんじょ」
 (2006/03/16 宮崎県都城市)
本の楽しさを伝えたい (2006/03/01 愛知県新城市作手)
町家カフェでお雛様を愛でる (2006/02/16 岐阜県郡上市八幡町) 匠の伝承「伏見人形」 (2006/02/01 京都府京都市伏見区)
円空さん (2006/01/16 岐阜県羽島市) 歳の初めのえべっさん! (2006/01/01 大阪市浪速区今宮戎神社)
山梨県立博物館「かいじあむ」 (2005/12/16 山梨県笛吹市) お千代保稲荷おもしろ参道 (2005/12/01 岐阜県海津市平田町)
しだれ桑 (2005/11/16 福島県伊達市梁川町) うだつと和紙の商家町 (2005/11/01 岐阜県美濃市)
ウンメさげの生まれるまち (2005/10/16 秋田県由利本荘市) 安曇野は自然も人も気持ちイイ!! (2005/10/01 長野県安曇野市)


Winds!トップページ / 日本探訪【地域情報】